低速ダクトと高圧ダクトの違いとは?風速・用途・メリットを徹底比較

皆さんこんにちは。

大阪府摂津市を拠点に、近畿全域で飲食店や病院、ホテル、工場などのダクト工事やダクト製作を手掛けています有限会社伸晃興業です。


空調設備の設計や工事で、「低速ダクトと高圧ダクトは何が違うのか?」「自分の現場にはどちらが適しているのか」など、疑問や迷いを感じることはありませんか?どちらも空気を運ぶための設備ですが、その仕組みや適している建物の種類には大きな違いがあります。


この記事では、低速ダクトと高圧(高速)ダクトのそれぞれの特徴や風速による分類、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。空調設備の基礎知識を身につけたい方や、建設業界で働き始めたばかりの方は、ぜひ参考にしてみてください。


■低速ダクトの特徴



私たちが普段利用するオフィスビルや商業施設、病院などで使われている空調ダクトのほとんどは、この「低速ダクト」に分類されます。風のスピードを抑えることで、快適な環境を守るための様々なメリットが生まれるからです。


・15m以下の優しい風

低速ダクトの基準は、風速が毎秒15m以下であることです。図書館やコンサートホールなど、特に静かさが求められる場所では、さらに遅い毎秒5〜10m程度に設定して設計されることもあります。 風のスピードを落とすことで、ダクト内での空気の摩擦抵抗が減り、「ゴーッ」という不快な風切り音や振動の発生を防げるのが最大の特徴です。そのため、会話や作業の邪魔にならない静かな空間を作ることができます。


・お店やオフィスの用途

飲食店やオフィス、ホテルなど、人が長時間過ごす室内環境では、静けさと心地よい気流が重要になるため、ほぼ間違いなく低速ダクトが採用されます。 また、これらの建物は天井裏のスペースが限られていることが多いため、円形よりも高さを抑えて広い断面積を確保できる「角ダクト(長方形のダクト)」が主流です。伸晃興業のような専門業者が、梁(はり)や配管を避けて製作・施工することで、複雑な建物内でも無駄なくきれいに納めることができます。


■高速・高圧ダクトの特徴



一般のオフィスとは異なり、広大なスペースや特殊な環境で活躍するのが「高速ダクト」です。強い圧力で空気を押し出すため「高圧ダクト」とも呼ばれ、そのパワーゆえに施工や設計には専門的な知識と強度計算が必要になります。


・遠くまで届ける強い風

風速が毎秒15m(15m/s)を超える高速ダクトは、広い空間の隅々まで空気を届ける力強さが特徴です。しかし、スピードが速い分、ダクトの内側から外側へ押す力(正圧)や、逆に強く吸い込む力(負圧)が大きくなります。


そのため、一般的な鉄板の厚さの角ダクトでは、圧力に耐えきれず変形や破損をする恐れがあります。そこで、圧力に対して非常に強度が高い円形の「スパイラルダクト」が主役となります。接続部分も、高い圧力で空気が漏れないよう、フランジなどを使って気密性を高める施工方法がとられます。


・工場など広い場所

天井が高く奥行きがある工場や大型倉庫では、低速の風では目的地に届く前に勢いがなくなってしまい、効率的な換気や空調ができません。そのため、高速ダクトを使って抵抗に負けずに一気に空気を送る方法が選ばれます。


また、火災時に煙を外へ吸い出す「排煙設備」もこのタイプです。緊急時に大量の煙を急速に排出(排気)する必要があるため、非常に高い圧力(高圧)と大風量に耐えられる頑丈な設計になっています。その他、油煙や熱気がこもる飲食店の厨房排気などでも、状況に応じて採用されることがあります。


■低速ダクトと高圧ダクトの違い


空調設備や換気システムを設計・施工する際、ダクトは主に「低速ダクト」と「高速ダクト」の2種類に分類されます。この区分は、中を通る空気のスピードや、ダクトの内側にかかる圧力の強さによって決められており、建物の用途や規模に応じて適切な方を選ぶ必要があります。


・風の速さと圧力の関係

最も大きな違いは「風速(m/s)」です。一般的に、ダクト内を通る風の速さが15m/s以下のものを「低速ダクト」、それ以上のものを「高速ダクト」と呼びます。 風速が速くなると、空気を遠くまで通すために強い力で押し出す必要があり、ダクト内部の圧力(静圧)が高まります。


そのため、高速ダクトは「高圧ダクト」という名称で呼ばれることも多いです。逆に、低速ダクトは圧力が比較的低いため「低圧ダクト」として扱われます。 イメージとしては、低速ダクトは「そよ風を静かに送る」もの、高速・高圧ダクトは「強い風を勢いよく飛ばす」ものと考えると分かりやすいでしょう。


・ダクト形状の違い

この圧力や速度の違いは、ダクトの「形状」にも大きく影響します。 低速ダクトは圧力が低いため、現場のスペースに合わせて鉄板を加工しやすい四角い「角ダクト」が一般的です。製作の自由度が高く、オフィスや店舗の天井裏にきれいに収める施工に適しています。


一方、高速・高圧ダクトは強い圧力に耐える必要があるため、強度が高く破裂しにくい丸い「スパイラルダクト」が主に採用されます。丸い形状は空気抵抗(摩擦損失)が少なくスムーズに流れるメリットもあり、工場や広い倉庫などの設備で活躍します。


■音やスペースで選ぶルール



どちらのダクトを採用するかは、単に風の強さだけで決めるわけではありません。建物の「静かさ」や、天井裏の「限られたスペース」、そして「工事費用」のバランスを見て総合的に判断する必要があります。ここを間違えると、後から騒音トラブルになったり、配管が納まらず工事が止まったりする原因になります。


・騒音トラブルを防ぐ

高速ダクトは強い力で空気を送るため、どうしても「ゴーッ」という風切り音や振動音が発生しやすくなります。そのため、図書館や会議室、マンションの居室など、静けさが求められる場所には向きません。 もしスペースの都合などで高速ダクトを使う場合は、消音器(サイレンサー)を設置したり、ダクトの外側に遮音シートを巻いたりするなどの防音対策が必須となります。逆に、低速ダクトはダクトのサイズが大きくなりますが、空気の摩擦音が少なく、静かな環境を作るのに最も適しています。


・コストと設置スペース

工事にかかる費用(イニシャルコスト)で見ると、実は高速ダクトの方が安く済むケースがあります。風速が速い分、同じ風量を送るのに細いダクトで済むため、材料費や加工費が抑えられるからです。丸いスパイラルダクトは既製品も多く、施工スピードも速いメリットがあります。 しかし、高い圧力をかけるために強力なファン(送風機)が必要になり、毎月の電気代(ランニングコスト)は高くなりがちです。また、天井裏の高さがない場所では、丸いダクトよりも、平べったく変形加工できる角ダクト(低速)の方が、高さを抑えて省スペースで納めやすいという事情もあります。


■まとめ



空調ダクトには「低速ダクト(低圧)」と「高速ダクト(高圧)」の2種類があり、それぞれ風速や圧力、適した用途が異なります。 静かさが求められるオフィスや店舗には、四角くて加工しやすい「低速ダクト」が、広い工場や排煙設備などパワーが必要な場所には、丸くて丈夫な「高速ダクト」が選ばれます。


どちらを採用するかは、単に風の強さだけでなく、騒音対策や設置スペース、コストなどを総合的に判断する必要があります。間違った選択は後々のトラブルの原因になるため、建物の用途や現場の状況に合わせて専門家としっかり相談し、最適なダクト設備を導入することが快適な環境づくりの鍵となります。


■伸晃興業ではダクト製作・取付工事の職人を募集しています!



伸晃興業は、大阪府摂津市に自社工場を構え、ダクトの製作から現場での取り付け工事までを一貫して手掛けています。今回ご紹介したような、オフィスビル向けの「低速ダクト(角ダクト)」の製作技術から、大型工場などの「高速ダクト(スパイラルダクト)」の施工ノウハウまで、幅広い技術を身につけられるのが弊社の強みです。


私たちが何よりも大切にしているのは、社員の「熱意」と「働きやすさ」です。「経験よりもやる気」を重視しており、ダクトの種類や風速の計算といった専門知識も、入社後にイチから学べる充実のサポート体制を整えています。実際に、現在活躍している社員の多くは未経験からのスタートです。


また、建設業界の古い常識にとらわれない柔軟な社風も私たちの自慢です。「NO!年功序列」を掲げ、社歴に関わらず実力や頑張りを正当に評価。さらに、「ストップ!現状維持」を合言葉に、DX(デジタルトランスフォーメーション)や機械化を積極的に推進し、効率的で身体への負担が少ないスマートな働き方を実現しています。


福利厚生においても、社員の生活を豊かにするための工夫を惜しみません。皆勤手当や決算賞与といった給与面での還元はもちろん、社内BBQやゴルフコンペといったイベントを通じたコミュニケーションも活発です。クリスマスには全社員にケーキをプレゼントするなど、アットホームな温かさも忘れません。北陸や四国などへの出張時には、食事代を全額会社が負担。社員が心置きなく仕事に打ち込める環境づくりに全力を注いでいます。


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